坂道の先の景色を見てみよう
工藤禎子
4月になりました、新年度の始まりです。新しいクラス、新しい友人に新しい科目と様々な出会いがあることでしょう。特に今年入学した皆さんはなおさらのことだと思います。この一年楽しく過ごせるように念じています。
さて、今月の言葉は三井住友銀行の副頭取(銀行・金融機関で社長である頭取を補佐する役職)工藤禎子さんのことばです。古式ゆかしいイメージの大手銀行で副頭取といえば絵にかいたようなエリート人生を思い浮かべそうですが、その歩みは順風漫歩だったわけではなく、望まぬ移動や、昇進の遅れなど様々な苦労があったそうです。皆さんも、今まで思いがけないようなことに出会うことがあったはずです。工藤さんはそのような中で「努力って100%報われることはなく、自分の満足のために続け るもの。報われない努力も無駄ではない。」と感じるようになったそうです。
私たちの人生は坂を上っているようなものではないでしょうか。一日・一日、毎時間・毎時間、一瞬・一瞬、坂の先はもっと急な坂が待っているかもしれないし、下り坂、平坦な道かもしれない。また、いいこともあれば悪いことがあるかもしれない。
仏教ではいいことも悪いことも、様々なことに巡り合うことも”縁”として受け止めていくのが基本的な考え方です。4月から始まる新学期の生活をご縁として受け止め考え、そして行動してみて下さい。
さあ、坂道の先の景色を見に行きましょう。
(文責:宗教科)