今までのきみは間違いじゃない これからのきみは間違いじゃない
2024年も最後の月になりました。学年の始まりは4月ですが、1つの区切りを迎えます。
皆さんにとってはどのような1年でしたか、上手くいったこといかなかったこと、楽しかったこと つらかったこと等、たくさんの思い出ができたことでしょう。
今月のことばは日本のロックミュージシャン、佐野元春さんの楽曲「約束の橋」の一節です。
「自己肯定感」という言葉があります。これは自分自身を価値のある存在として受け入れ、自己の能力や資質を認めることです。仏教には、この自己肯定感を感じることが出来る多くの教えが含まれています。「無我」もその1つではないでしょうか。
無我とは「私」というものは無く、様々なご縁の中に存在・認識されているものという考え方です。多くの人が「私というものがある」と考えていますが、私という存在は太古の昔から引き継がれてきた大きな生命の中に生かされている一つの点である、その大きな命の中で役割があると考えることはできないでしょうか。
理想とする自分の姿を目標にしつつも、そのことにとどまらないで、背伸びすることなく生きる。そうすれば過去や未来に縛られず、今ここにいることに「安心」を見いだすことがきるのだと思います。
安心して下さい、「今までの君はまちがいじゃない。これからの君はまちがいじゃない」
人間は誰もが弱く、過ちを犯す。しかし安心することが感謝することや挑戦する勇気、命の尊厳に気づくことにつながるものだと思います。
(文責:宗教科)